本家ブログに不測の事態が起きたときの避難場所です。
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このような地政学的な大変動がこれから起きようとしているのに、この在韓米軍の撤退という問題について、韓国、米国、日本、いずれの地域においても、ほとんど議論になっていない。これは不可思議だ。プロパガンダの運営面で、意図的に議論が起こらないように誘導されている感じだ。米国では、トランプが在韓米軍を撤退させたい半面、トランプの仇敵である軍産複合体は在韓米軍の恒久駐留を画策している。米議会の民主党は、米朝和解を妨害するための法案をいろいろ用意し始めている(かつてオバマのイラン核協定を共和党が妨害したように)。トランプは軍産をあざむくため、在韓米軍の撤退話をできるだけしないようにしている。トランプは、マティス国防長官やボルトン安保補佐官らに「在韓米軍はずっと韓国にいる」「撤退はない」と言わせている。 (Senate Dems Threaten Legislation to Undermine North Korea Nuclear Deal) (House Bill Would Demand Detailed Report on North Korea’s Nukes)韓国の政界や言論界にも軍産傀儡の対米従属派がたくさんおり、彼らも在韓米軍の恒久駐留を望んでいる。民主主義の理想からすると、米朝首脳会談で朝鮮戦争が正式終結したあとも在韓米軍の駐留を韓国が望むのかどうか、国民的な議論を経て決定するのが良いが、それをやると軍産傘下の韓国マスコミが歪曲報道に精を出し、南北和解が妨害されかねない。そのため、文在寅はトランプと謀議し、在韓米軍の今後について、韓国でも米国でも、できるだけ議論しない策略をとることにしたのだろう。この事情は、文在寅から金正恩にも伝えられ、その結果、金正恩は「在韓米軍が撤退するかどうかは米韓に任せる」とか「米韓軍事演習が行われてもかまわない」などと、本心でないが米韓首脳の策略に合わせた発言を放ったのだろう。在韓米軍の未来について語らない策略で、トランプと文在寅と金正恩はたぶんグルである。 (Trump Will Invite Kim If Singapore Summit Successful: "Maybe We'll Start With The White House")
在韓米軍の撤退は在日米軍の撤退につながりかねないので、日本の官僚独裁機構などの対米従属派も、在韓米軍の恒久駐留を望んできた。トランプが金正恩と会うことを決めた時点で、米朝和解・朝鮮戦争終結・在韓米軍撤退へのシナリオが日本の対米従属派にも見えたはずだから、本来なら日本でもっと危機感あふれる議論が公的に展開されるのが自然だ。だが現実は正反対で、日本のマスコミが喧伝したがることは、ごく最近まで「トランプが北朝鮮を先制攻撃して核戦争になる」という馬鹿げた予測ばかりだった。年初来「米朝4月開戦説」が喧伝され、3月になってこれが非現実的だとなると「6月開戦説」にすり替わった。
こんな馬鹿な展開になったのは、おそらく、日本のマスコミ言論界に「見方」を注入する米国勢とその在日傀儡筋が、日本側に対し、意図的に「トランプは必ず北朝鮮を先制攻撃する」「米朝会談は開かれない」「開かれるが失敗して戦争になる」など、断定感あふれる情報を流し続けたからだろう。日本のマスコミ記者は、自分の頭で分析して書くことを禁じられ、権威筋(=軍産、官僚機構)が言った分析しか書けない。その結果、日本では頓珍漢な情報ばかりだ。今後も頓珍漢が続く。
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